肥満~脂肪は大切な体の一部です。
体脂肪は生きるために必要で、「エネルギーの源、 保温・断熱、 クッション」として役立っています。
肥満とは
肥満とは、からだの脂肪組織が普通より多過ぎる状態で、さまざまな生活習慣病の原因となります。
特に腹腔内に脂肪がつく「内臓脂肪型肥満」は、生活習慣病のリスクを高めるため注意が必要です。
太る原因は、食物から摂取するエネルギーが日常生活で消費するエネルギーより過剰なためで、余ったエネルギーが
脂肪となって体内に蓄えられるためです。
肥満になる原因は70%が食べ過ぎと運動不足などの生活習慣によるものです。
肥満指数とは
BMI(肥満指数)とは、肥満かそうでないかを判断する数値です。
メタボリックシンドロームの危険要因である肥満になっているかどうかを知るため体重と身長から計算する数値です。
BMI=体重(kg)÷身長(m)^2
肥満指数と判定
(上記式により計算)
BMI
|
判定
|
|
18.4以下
|
やせている
|
低体重
|
18.5~24.9
|
普通
|
普通体重
|
25.0~29.9
|
肥満1度
|
肥満
|
30.0~34.9
|
肥満2度
|
|
35.0~39.9
|
肥満3度
|
|
40以上
|
肥満4度
|
たとえば、体重が65kgで身長165cmの人は、
65÷(1.65×1.65)=23.875 です。
肥満指数早見表
身長
(m) |
体重(kg)
|
|||||||||||
35
|
40
|
45
|
50
|
55
|
60
|
|||||||
1.50
|
15.6
|
17.8
|
20.0
|
22.2
|
24.4
|
26.7
|
||||||
1.55
|
14.6
|
16.6
|
18.7
|
20.8
|
22.9
|
25.0
|
||||||
1.60
|
13.7
|
15.6
|
17.6
|
19.5
|
21.5
|
23.4
|
||||||
1.65
|
12.9
|
14.7
|
16.5
|
18.4
|
20.2
|
22.0
|
||||||
1.70
|
12.1
|
13.8
|
15.6
|
17.3
|
19.0
|
20.8
|
||||||
1.75
|
11.4
|
13.1
|
14.7
|
16.3
|
18.0
|
19.6
|
||||||
1.80
|
10.8
|
12.3
|
13.9
|
15.4
|
17.0
|
18.5
|
||||||
1.85
|
10.2
|
11.7
|
13.1
|
14.6
|
16.1
|
17.5
|
身長
(m) |
体重(kg)
|
|||||||||||
65
|
70
|
75
|
80
|
85
|
90
|
|||||||
1.50
|
28.9
|
31.1
|
33.3
|
35.6
|
37.8
|
40.0
|
||||||
1.55
|
27.1
|
29.1
|
31.2
|
33.3
|
35.4
|
37.5
|
||||||
1.60
|
25.4
|
27.3
|
29.3
|
31.3
|
33.2
|
35.2
|
||||||
1.65
|
23.9
|
25.7
|
27.5
|
29.4
|
31.2
|
33.1
|
||||||
1.70
|
22.5
|
24.2
|
26.0
|
27.7
|
29.4
|
31.1
|
||||||
1.75
|
21.2
|
22.9
|
24.5
|
26.1
|
27.8
|
29.4
|
||||||
1.80
|
20.1
|
21.6
|
23.1
|
24.7
|
26.2
|
27.8
|
||||||
1.85
|
19.0
|
20.5
|
21.9
|
23.4
|
24.8
|
26.3
|
※ 日本肥満学会の基準より抜粋
肥満は万病のもと
肥満は「積み荷オーバーのトラック」の状態で、常に多くの臓器に負担をかけています。
肥満は、糖尿病、高血圧、高脂血症、これらを要因とする動脈硬化、高尿酸血症、脂肪肝など実にさまざまな病気の
温床になっています。
肥満の人はそうでない人より、糖尿病で約5倍、高血圧症が約3.5倍、心疾患が約2倍もかかりやすくなっています。
かくれ肥満
かくれ肥満とは、体重は正常であるのに、体の中の脂肪組織の割合が多い状態です。
過度のダイエットや運動不足を繰り返すことにより、筋肉量が減って体脂肪が増えてしまう状態です。
また、体重の変化がなくウエストが増えた状態も「かくれ肥満」です。
体重に対する脂肪の量が多いということはその分、ミネラル・タンパク質・糖質の比率が低くなっていて、
大切な内臓のはたらきが衰えている可能性があります。
スポーツ選手のように体重が重くても体脂肪率は標準である場合は、肥満とはいいません。筋肉は脂肪に比べ、
単位あたりの重量が重いからです。
※財団法人社会保険健康事業財団より
肥満の原因
ホルモンの異常による肥満もまれにありますが、日常見られる単純性肥満は「食べ過ぎ」と「運動不足」の
生活習慣からおこります。
毎日食事からとるエネルギーは生命維持や運動のために消費されます。
生活で消費されるエネルギーよりも食べ物で体に入ってくるエネルギーの方が多くなると、その余った分が脂肪として
体に貯金されます。
肥満というのはふつう、からだが太っているという意味だけど、医学的に肥満という言葉を使うときには、
脂肪が一定以上に多くなった状態のことをいうんです。
人のからだはさまざまな物質でできているんだけど、おおまかには、水分と、筋肉に多い糖質とたんぱく質、骨に
多いミネラル、脂肪でできているといえるんですね。
肥満というのは、このなかの脂肪の割合が多すぎることなんです。
だから、体重が重くても、プロレスラーやハンマー投げの選手など筋肉や骨の割合が多い人は脂肪は少ないから、
肥満ではないんですよ。
それは確かにあるようですね。同じものを同じだけ食べても太る人と太らない人がいるってこと、
ありますからね。
また、大食い大会の優勝者がぜんぜん太っていないという例も意外にあるようです。
同じ体格でもよく動く人は当然使うエネルギー量が多いから、太りにくいってことはわかりますね。
それ以外の場合で、よく食べるのに太らない人には、二つの体質が考えられます。 一つはせっかく食べたものを十分に消化吸収できない体質ということ。
もう一つは基礎代謝量が大きいタイプです。
基礎代謝というのは、命を保つために最低限必要なエネルギーのこと。
何もしないで横になっていても、呼吸したり、血液を循環させたり、体温を
一定に保ったり、内臓を動かしたりするために使われるエネルギーですね。
基礎代謝量は、年齢や性別による差や、個人差があります。
基礎代謝量が大きい人は、食べたものをためこまずにエネルギーにして使っていくので、よく食べる割には
太らない。
まあ、車なら燃費が悪いんだけど、人の場合は太りにくいってことになります。
「うちは両親もばあちゃんも太っているから、遺伝だよ」という人がいますね。
たしかに、一家そろって肥満の家族も見かけます。
前に話した「太りやすい体質」が遺伝すれば、みんな太りやすくなるということは考えられますね。
けれども、みんなそろって太っているからといって、遺伝だけが原因とはいえません。
というのも、家族が一緒に暮らしていれば、食べる量や食事の好み、食べ方などの食習慣はもちろん、運動ぎらいなど、
ほかの生活習慣も似てくるのは当たり前だからです。
つまり、遺伝が原因の肥満はごくわずか。重要なのは遺伝よりも生活習慣だといえそうですね。
肥満解消、スリムなからだのために
ビタミン、ミネラルのバランスを崩していると食欲が異常に出てくるために肥満つながります。
とくに十分なミネラルは食欲を適度に調節します。
まづ、栄養のバランスを回復させて食欲を正常にすることが大切です。
その上で、炭水化物、動物性脂肪をとり過ぎないようにすると効果的です。
砂糖をとり過ぎると、低血糖症になりやすく、ますます、甘いものが欲しくなり、間食や異常食欲の原因となり、
カロリーの過剰におちいることとなります。
あらゆる食品中の砂糖を合計して、1日に10gを超えないようにする必要があります。
食物繊維(全穀粒、果実、野菜、海藻などに含まれる)のような食べ物の多くは、ビタミンやミネラルを多く含んでいて、
しかも繊維が糖質の消化や吸収をセーブして、腸内細菌によるビタミンB群の供給源ともなります。
肥満者は、植物繊維をたっぷりとることが、肥満解消のポイントになります。
ビタミンB群は糖質、脂質の代謝に関連しているので皮下脂肪をエネルギーにかえて減らす働きがあります。
例えば、ビタミンB2は脂肪の代謝に重要な役割を果たしているため、これが欠乏すると小鼻のまわりにも脂肪が
たまったり、肥満しやすくなります。
ビタミンB6、パントテン酸なども欠かせません。
ともあれ、ビタミンB群を豊富にとることが大切です。
植物油は食欲を適度におさえ、またその中に含まれる不飽和脂肪酸のリノール酸やリノレイン酸には、脂肪が蓄積するのを
防ぐ働きがあります。
ビタミンCはコレステロール代謝、中性脂肪の代謝をよくします。
レシチンは脂肪やコレステロールを溶かして移動しやすくし、蓄積を防ぎます。
スクアレンはコレステロールや脂肪の代謝をよくします。
ビタミンEは血管を洗浄し、血液の流れをよくするのでからだ全体の代謝を活発にします。
以上のような栄養バランスの改善とあわせて、代謝をよくし、皮下脂肪をエネルギーに転化させるために適度な運動を
行うことが必要です。
栄養と運動の調整があってはじめて、肥満解消のための代謝が、ビタミンB群、その他に支えられてスムーズに
機能することができます。